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空き巣という災難に備える

住宅の玄関や窓に鍵が取り付けられているのは、住人の不在時に資産や個人情報を盗む、空き巣の侵入を防ぐためです。空き巣が住宅に侵入するためによく使うのが鍵開け道具です。

テクノロジーが発達した現代ですが、技術の恩恵はセキュリティー会社だけでなく、悲しいことに、空き巣にもたらされています。空き巣は高度な鍵開け道具を使って、すばやく玄関や窓をこじ開けようとします。

彼らが最も恐れることは、鍵開け中に付近の通行人や住人に目撃されてしまうことです。見つかれば直ちに通報されてしまうので、予想以上に解錠に時間がかかってしまった場合は、侵入をあきらめて立ち去る場合が多いです。

多くの場合、10分以上開かないと、空き巣はその住宅への侵入をあきらめます。空き巣の被害に遭わないためには、開けにくい鍵、つまり解錠に時間のかかる鍵を用意するのが効果的です。

技術は年々進化し続けていますから、建築当時は最新の防犯技術を備えていた住宅であっても安心できません。

鍵は定期的に最新のものに取り換え、あらゆる脅威に対応できるようにしておかなければならないのです。今住んでいる住宅の防犯が大丈夫かどうかを確認して、必要なら最新のものに取り換えるようにしましょう。

サムターン回しという手法

最近の不法侵入の手口として、サムターン回しがあります。
サムターンとは、ドアの内側から鍵を開け閉めするための金属製のつまみのことです。
ドアをハンドドリルなどで破壊し、もしくは郵便受けの穴などから工具を差し込み、サムターンを回して開錠するのがサムターン回しです。
ある程度の技術が必要なピッキングと違い、道具を用いればできるサムターン回しは、容易にできる手口です。
ハンドドリルはモーター音がしませんので、電気ドリルのように音では気づかれにくいのです。
サムターン回しを防ぐための道具や押し回しするタイプのものを取り付けることで、不法侵入自体は防ぐことはできます。
けれど結局ドアは穴を開けられてしまうというのは、かなりのダメージです。
それを防ぐには、外から見てすぐわかる補助錠をつければよいでしょう。
ワンドアツーロックの観点からもよいことですし、ハンドドリルでわざわざ穴を開けても結局解錠できないとわかれば、空き巣の狙いからははずされるからです。
玄関横がガラス張りの部分がある家は、そこを破壊してサムターン回しを狙われることもありますが、その場合カラスに防犯フィルムを張るなどの方法で割りにくくして対策するのもよいでしょう。

長期に家を空けるときはご用心

海外旅行などで長期間家を留守にする時に鍵をかけるのは当たり前ですが、「鍵をかけただけ」で安心している方は多いのではないでしょうか。

空き巣にとっては海外旅行などの長期不在は好都合で、侵入されるリスクが高まります。
空き巣の侵入手口は、ピッキングやサムターン回し、ガラスを破壊するなど色々な手口を使ってきます。鍵を開けて侵入する時には、外の目を気にするため、時間がかかる鍵の場合は諦めたり、そもそもターゲットにならない事もあります。
そのため、侵入のリスクを低減するのには鍵の見直しが必要になってきます。自宅の鍵が古いものだったり、単純な形状のものは危険性が高いためすぐに見直した方がいいかもしれません。また、玄関以外から侵入される可能性も考慮して、窓などにも対策を施しておくとより効果的です。
空き巣などの犯罪は、海外旅行などの長期不在時だけとは限らず、いつ何時起こるか分かりません。また、実際に空き巣に入られてからでは遅く、普段から防犯の意識を高める必要があります。それに、空き巣に入られた損害より、鍵を変える料金の方がよっぽど安く済みます。
「鍵をかけたから大丈夫」だと思わずに、防犯意識の改善のため鍵の見直しをしてみる事も大切ではないでしょうか。

カバスターという鍵のメーカーについて

スイスは、精密機械において優れた技術を持つ防犯立国として有名です。そしてそのスイスの代表的な鍵メーカーが、カバです。

ドイツ語で金庫を表す単語と、創設者の名前が社名の由来とされています。

カバは1862年に設立され、1934年には世界で初めてリバーシブルディンプルキーを開発しました。そして1984年に世界初の鍵とICチップを合体させたメカトロニク・ロッキングシステムとPCを連動してアクセスの制限や履歴を管理するシステムを開発しました。

その後もセキュリティゲートや暗証番号など、総合的な高いセキュリティシステムを提供しています。150年間の長い歴史と革新的な発想が世界に認められており、現在はスイスだけでなく、ヨーロッパやアメリカ、アジアにまでシェアを拡大しています。

スイスの銀行やルーブル美術館、世界の空港、官公庁、オフィスの防犯に使われています。日本でも2000年前半にピッキングの被害が増加しました。

そこでディンプルキーを導入したところ、ピッキングが困難になったので日本でもスイスの技術が受け入れられています。2008年には鍵を使わないで触れることで、扉を開閉する認証技術RCIDを開発しています。

鍵屋のピッキング技術

ピッキング技術は、鍵を使わないで特殊な器具によって開錠する方法のことです。これは鍵屋だけが利用することを許可されています。

ピッキング技術に使う道具を一般の人が所持するだけで、ピッキング防止法に抵触します。よって鍵を忘れたり壊れたりすると、自分では解決できません。

そこで鍵のトラブルが発生したら、鍵屋に連絡します。鍵屋ではピッキング技術を発揮するための道具があります。ピックとテンションというセットがあり、テンションはシリンダーの内筒を回転させます。テンションにはピンテンションやZ型テンションなど用途がそれぞれ異なります。ピックにも様々な種類があり、ピンタンブラー錠に使うフックピックや、ディスタンブラー錠のダイヤモンドピック、ダブルディスクタンブラー錠のボールピックなどがあります。

ピッキング自体は、手先が器用でない人も、道具の使い方を理解していれば問題なく行えます。

最近の泥棒は窓を割るなど、時間がかからない方法を選ぶようになっています。それは、時代とともに鍵も開錠することが困難な仕組になっているためです。ピッキング専門の仕事に錠前技師がいます。彼らは鍵屋を目指したい人も中にいて、人を助ける意識を持っています。